長野県は全国的に見ても、美術館の数が非常に多いところです。そしてその中には世界で注目を集め続ける浮世絵の美術館もあります。小布施にある「北斎館」はその名の通り、小布施で晩年を過ごした葛飾北斎の作品が多く所蔵されています。また松本にある「日本浮世絵博物館」は、世界でも有数の所蔵数を持ち、日本最大級の浮世絵美術館と言われています。松本市博物館は、2024年最初の特別展として浮世絵を取り上げます。日本浮世絵博物館所蔵の「酒井コレクション」から厳選された展示をぜひご覧ください。
浮世絵とは
浮世絵は江戸時代に成立した絵画の一つで、庶民の生活を表情豊かに描き、それを今に伝えています。直接描いたものもありますが、大きく流行した背景には版画として、大量に作ることが出来たからという理由があるそうです。題材には美人画、人気の歌舞伎役者や舞台、怪談の一場面、観光名所などから、幕府への風刺や新聞のような役割も持ち、主に一般庶民の間で愛されてきた、身近な芸術だということが出来ます。長野県で浮世絵で有名な美術館をご紹介します。
日本浮世絵博物館
松本にあるこの博物館は、江戸時代に松本市の紙問屋であった酒井家の浮世絵コレクションから始まりました。歴代の酒井家当主は松本だけでなく東京で浮世絵の復刻や鑑定を行ったり、海外まで出向いて浮世絵博覧会を複数回開催するなど、浮世絵文化の保存と振興に尽力し、その200年以上もかけて収集された貴重なコレクションは、1982年に松本で日本浮世絵博物館として公開されることとなりました。
日本浮世絵博物館でも「浮世絵に触れる 聞く」をコンセプトにした特別展が開催中です。前期は1月4日から2月12日、後期は2月14日から3月24日となっています。
北斎館
葛飾北斎は晩年、信州に住む知人から誘われて小布施に住んでいた時期があります。そこでも精力的に作品を制作していきますが、特に有名なのが「岩松院」というお寺にある鳳凰図です。そして小布施には北斎晩年の作品を見ることが出来る「北斎館」があります。85歳を超えてなお絵の世界に向き合い続けた葛飾北斎の集大成ともいえる作品を、小布施では見ることが出来ます。
松本市立博物館特別展 「至極の大衆文化 浮世絵 -酒井コレクション-」
松本城の大手通り、大名町に昨年10月に開館した松本市立博物館では、日本浮世絵博物館協力のもと、日本三大浮世絵コレクションと言われる酒井コレクションに焦点を当てた特別展を開催します。また、伊勢町通りにある浮世絵博物館のミュージアムショップでも、入場券を提示することでポストカードがもらえるキャンペーンを開催するほか、ギャラリートークやワークショップなど、浮世絵に親しむことが出来るイベントを数多く開催します。この機会に、ぜひ松本を訪れて庶民文化の代表であった浮世絵に触れてみませんか?
Matsumoto Experienceでは街歩きツアーを実施しております。ご希望の場合、プライベートで博物館内までご案内することが出来るプランもお受けしております。
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